TOEIC L&R TEST: 900点超えへの道

TOEIC L&R TEST で念願の900点を突破するまでの道のりを綴っていきます

【書籍要約】『1兆ドルコーチ』|シリコンバレーのレジェンド

エリック・シュミット*1スティーブ・ジョブズ*2ラリー・ペイジ*3ジェフ・ベゾス*4…そのほかにも、シリコン・バレーの多くの成功者たちに大きな影響を与えた共通の師。その名もビル・キャンベル。

 タイトルの「1兆ドルコーチ」はビル・キャンベルが、スティーブ・ジョブズが潰れかけたアップルを立て直し、時価総額数千億ドルの会社にするのを助けたり、ラリー・ペイジセルゲイ・ブリンエリック・シュミットがスタートアップだったグーグルを時価総額数千億ドルの企業にするのを助けた人物というところから来ている。

 

1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え

 

著者

エリックシュミット*5

ジョナサン・ローゼンバーグ*6

アラン・イーグル*7

櫻井祐子(さくらい・ゆうこ)*8

 

 

「1兆ドルコーチ」の要旨

  1. 人が全て。あらゆるリーダー(マネジャー)の最優先事項は部下のしあわせと成功。優れたリーダーはチームメンバー、一人一人に関心を持つ。
  2. チームメンバー全員がチームのことを最優先に考えるような、「チームファースト」のチームを作る。

マネージャーは肩書き。リーダーは人が作る。

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人がすべて

会社の人材が資産として扱われるべきということは多くのマネジャーやリーダーも知っていることだが、マネジメントの文化に目を向けないことが多い。

マネジャーの一番の仕事は部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すこと。優秀な人材は、持てるエネルギーを解放し、増幅できる環境でこそ成功する。マネジャーはその環境を生み出すための存在。

「常に気にかけていることはは何か?」という質問に、ビル・キャンベルは部下の成功としあわせといつも答えている。

 

プロクトが最優先

企業にとって、プロダクト*9が最優先で、それ以外の財務、セールス、マーケティングなどはプロダクトを成功させるためにある。ビル・キャンベル自身はプロ経営者だったが、エンジニアに権限を与えることの大切さを知っていた。プロダクトチームを会社の中核として、どうしたらすばやくプロダクトを世に送り出せるか。ということを常に優先していた。

「適切なプロダクトがあり、適切な市場に適切なタイミングで提供できるなら、可能な限り早く世に出せ。小さな問題やすぐに対応が必要なこともあるだろう。だがとにかくスピードが肝心だ。」

経営幹部は、エンジニアリング担当でなくても、エンジニアと話をする必要がある。エンジニア達は経営幹部がいつも気にかけてくれていると理解する。理解することによってエンジニア達は本領を発揮する。

心理的安全性」が潜在能力を引き出す

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チームの心理的安全性とは、

「チームメンバーみんなが安心して対人リスク*10を取れるという状態、ありのままでいること心地よさを感じられるチームの風土。」

「すべきこと」は指図しない

ビル・キャンベルは、質問をし、相手に関心を持って聞き、正直なフィードバックをしてからは自分の物語を語り、何をすべきかは本人が考え、導き出すよう手助けをしていた。正直なフィードバックは言いづらいこともあるが、チームのために言う必要があれば批判的なことも言う。そうやって自力で最適解に辿り着けるようにする。

「ありのままの自分」で働く

全人格をかけて働く。全人格をかけて仕事をする人は偽りがない人だと敬意を持たれる。逆に自分を偽っていると「なぜ偽っているのだろう」と思われてしまい、不信感が生まれる。

 

チームファースト

チームに取り組む

マネジャーは目の前の問題にとらわれがちで、状況は?問題は?選択肢は?ということに追われてしまうが、より本質的に、誰が問題を担当しているか?相応なチームが適切に配置されているか?チームが問題解決をするために必要な物は揃っているか?に取り組むようにする。

 

やさしい組織

やさしい組織になるということはチームの心理的安全性を高くすること。

「人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない」

ビル・キャンベルはいつも人に関心を持っていた。毎週のスタッフミーティングではスタッフの週末の過ごし方、家族の近況を聞いてから本題に入る。

スティーブ・ジョブズが病に倒れた時はジョブズがどこにいようと、彼のいるところに毎日足を運んだ。

個別の思いやりはチームメンバーが気づき、感じ、反応することにつながる。組織としての思いやりになる。

同僚のことを気にかけているだろうに、職場では無害化した感情だけしか持ち込まないことが多い。リーダーが率先して家族のことを質問したり、家族の名前を覚えたり、家族のことを気にかけることが大切。

 

「コミュニティ」に取り組む

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ビル・キャンベルはビジネス以外のシーンでも常にコミュニティを形成しようとしていた。

  • 毎年の地元でのスーパーボウルの観戦コミュニティ
  • 毎年の野球観戦ツアーコミュニティ
  • 毎年のゴルフツアーコミュニティ
  • 毎年のカレッジフットボール殿堂式典ツアーコミュニティ
  • 毎年の釣りコミュニティ*11

コミュニティ作りはチーム作りに通じる。人と人が絆で結ばれる時、その集団は強くなる。それはビジネスチームも同じ。

人を助ける

ユーチューブのCEO、スーザンがあるテクノロジー・メディア会議に参加しようとした時、どうしても招待状を手に入れることができなかった。スーザンがビル・キャンベルにそのことを話すと、ビルは何本も電話をかけついには招待状を手に入れた。ユーチューブのCEOが出るべきイベントに出席させるために一肌脱いだ。

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読み終えて

他にも「カネはカネだけの問題ではない」、「去る者に敬意を払う」、「ビジョンは計算を超える」などなど、ビル・キャンベル氏が実践してきたことがたくさん書いてあります。スポーツや、サークルなどビジネス以外のシーンでも応用できることばかりなので優秀なリーダーを目指す人には必読の書です。

 

*1:2001年から2011年まで、グーグル会長兼CEO。2011年から2015年まで、グーグル経営執行役会長。2015年から2018年まで、グーグルの持株会社アルファベット経営執行役会長。現在はグーグルとアルファベットのテクニカルアドバイザーを務めている。

*2:アップル共同創業者

*3:グーグル共同創業者

*4:アマゾンCEO

*5:2001年から2011年まで、グーグル会長兼CEO。2011年から2015年まで、グーグル経営執行役会長。2015年から2018年まで、グーグルの持株会社アルファベット経営執行役会長。現在はグーグルとアルファベットのテクニカルアドバイザーを務めている。

*6:2002年から2011年まで、グーグルの上級副社長としてプロダクトチームの責任者を務めた後、現在はアルファベットのマネジメントチームのアドバイザーを務めている。

*7:2007年からグーグルでディレクターとしてエグゼクティブ・コミュニケーションの責任者、セールスプログラムの責任者を歴任している。

*8:翻訳家。京都大学経済学部経済学科卒。大手都市銀行在籍中に、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『第五の権力』『時間術大全』(ともにダイヤモンド社)。『NETFLIXの最強人事戦略』(光文社)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版)などがある。

*9:製品、または生産品。

*10:無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる、etc…可能性のある行動

*11:彼はこのそれぞれのコミュニティにお金を遺し、自分がいなくなっても友人たちがツアーを続けられるようにした。